Murales(壁画)の街として知られるOrgosolo(オルゴーソロ)へ。(二日目)
【18 Nov. 2018】 -サルデーニャ二日目-
この日は私が旅行前からリクエストしていたムラーレス(Murales 壁画)を見に、オルゴーソロ(Orgosolo)と言う街まで連れて行ってくれます。
日本語が絆いでくれた縁
朝起きるとパートナーのGさんが朝食の用意をしてくれていました。
Tさんと私はランチョンマットを敷いてテーブルセッティングを手伝います。
朝食はGさんの入れてくれたミルクたっぷりのカフェラテとぶどうなどのフルーツが食卓に並びます。主食はパンかと思いきやなんとビスケットでした。
カフェラテの中にTさんが何やら粉のようなものを振りかけていましたので、私も自分のカップを差し出し入れてもらいました。
缶には「Lecitina di Soia」とあります。帰国してから調べたら「大豆レシチン」のことでした。
波の音が聞こえる美しい海沿いの街
朝食後、出発前に彼女が近くの海を見せたいというので、二人で朝の散歩にでかけました。
彼女の住まいは海岸に近く、夜に寝ていても波の音が聞こえてきます。
海岸へ続く細い道を通り抜けると、そこにはゴミひとつないサラサラのきれいな砂浜が広がっていました。
見渡す限りの広い海。
ただただ聞こえる波の音。
なんとも贅沢な空間です。
夏にはここに沢山の人が集まりとても賑やかになるそうですが、季節外れのこの日は肌寒く、近所の方が数人お散歩されてるくらいでした。
私が写真を撮っている間、荷物を砂浜においてジークンドーの練習をはじめたTさん。
かなりゆっくりな動作を見ると太極拳のようにも見えます。
ひとしきり練習が終わるとビーチマットを広げて座り、今度はカバンからノートを取り出し一心に日本語を書き出しました。
「じゅうはち じゅういちがつ・・・」
日記のように日々のことを書いて日本語を勉強しているようです。
景色を堪能し、カメラに納めた私も横に座ってその様子を見守ります。
が、、、風が強くて呼吸をするたびにサラサラの砂が、鼻から口から吸い寄せられ口の中はあっという間にジャリジャリに、、。
彼女もきっと同じ状態だと思うのですが(あるいは毎日いるとコツを掴むのか?)、気にもとめずに黙々と日本語を書き続けるその熱心さに心を打たれました。
・・・私もこのくらい一途にイタリア語を学べばもう少し、、、、。
しばらくして一段落ついたのか、マットをたたんで帰り支度。
お互いに道すがらに見えるものを指さして、日本語とイタリア語で言い合いながらもと来た道を戻りました。
さぁ、オルゴーソロ(Orgosolo)へ出発です。
ムラーレス(Murales)って何?
ムラーレス(Murales)はイタリア語で壁画のこと。
街中の家と言う家の壁に、沢山の壁画が描かれていることで有名なのがオルゴーソロ(Orgosolo)です。
スプレーで書かれたような落書き風ではなく丁寧に描かれています。
壁画の種類はリアルな絵、風刺画、抽象化風と様々です。
他にも何箇所か有名なところがあるようですが、彼女達も行ったことがないということでオルゴーソロ(Orgosolo)に決まりました。
と、ここまで書いてふと気づいたのですが、お互いにわかる言葉が限られているのにちゃんと意思の疎通ができてますね❤
彼女の住む場所からオルゴーソロまでは車で2時間半ほど。
道中は延々と一本道が続きます。
「馬はcavallo」、「羊はpecora」、現れる景色を指さしては日本語とイタリア語の勉強です。
すると目の前に不思議な石造りの遺跡のようなものが現れました。
Gさんが車を止めて近くまで連れて行ってくれました。
これはヌラーゲ(Nuraghe)というサルデーニャ特有の遺跡です。
サルデーニャ島はイタリアとはいえ本土とは歴史的な背景が少し違うようです。
以前日本の世界遺産の番組でも取り上げられていましたが、謎の巨大遺跡文明として今も研究されているようです。
番組に出てきた世界遺産に登録されているバルーミニ(Barumini)のヌラーゲ遺跡「スー・ヌラージ・ディ・バルーミニ(Su Nuraxi di Barumini)」は一番大きなものですが、島のあちこちに小さなヌラーゲは点在しているそうです。
私が見たのはその中の一つ。
チケットを買うと中に入って登れるようで、遺跡のてっぺんに立つ人もいました。
私も登ってみたかったのですが、この時点でおトイレをかなり我慢していたので、なんとか早くオルゴソロまで到着したかった。😂
日本にいるといつでもどこでもトイレがあるので気持ちが楽ですが、外国に行くとトイレを探すのが難しいことも少なくありません。
そうでなくてもトイレが近い私は、考えないようにしようと思えば思うほど「トイレ」の3文字が頭から離れなくなります。
車に戻るとGさん、「Kaeru、お水飲む?ジュースは?」
「いらーーん」😂
そこから数十分、少し迷いながらもやっとオルゴーゾロに到着。
車が停まるなり「Tさ〜ん!バーニョ!(bagno). Vado al bagno—!(トイレに行く〜)」と叫びました。😂
あわててお店を探してくれますが、観光シーズンからはずれているためか開いているお店がなかなか見つかりません。
やっと見つけたカフェでなんとかおトイレを借りることができました。(とっても背の高い便器で、足の短い私は飛び乗るようにして座りました。😂)
戻ってくると二人はおトイレを借りるために頼んだエスプレッソとコーラを飲んで待っていてくれました。
「kaeruも何か飲む?」と聞かれ、「大丈夫〜。(飲みたいけれど飲んだらまたトイレが、、汗)」
ランチはそのカフェではなく別の場所に行きました。
今日のランチ at オルゴソロ。
お店の名前は「Gastronomia Licanzos」。
テイクアウトがメインのお店のようで、狭い店内にはすでに何人か並んでいました。
向かいの建物にあるテーブルと椅子だけが置かれたサンルームの様な部屋で、注文した料理を食べることもできるようでした。
メニューはもちろん全てイタリア語。
ファーストフードのようなイラストからローストビーフのようなイラストまでずらりと並びます。
バラエティに飛んだメニューなんでしょうか、読めないからわかりませんけど。
「どれにする?」と言われてもどれがなんだか、、、。
よくわからないので「same one」とお願いし、同じものを注文してもらいました。
私はお酒が大好きでサルデーニャのワインも楽しみにしていたのですが、このカップル、お酒をほとんど飲みません。
Gさんは運転してくれているのでもちろん飲めません。
しかも、ランチもごちそうしてくれましたので「何飲む?」と聞かれてもアルコールは頼みにくい、、。
「uno vino bianco!(白ワイン!)」と言いたかったのをこらえて「お水」をお願いしました。
お料理が来るのを温室のような部屋で待つ間、ここでも彼女はノートを取り出して日本語の勉強です。
それを優しそうに見つめるGさん。
仲良しだわぁ。
しばらくして運ばれてきたお皿にはイカリングフライとポテトフライがどっさり!
前出のメニュー画像の黄色い紙にかかれていた10€、1,300円ほどのものですね。
衣も薄くてサラッとカラッと揚がったイカリングは、イカ本来の甘さの引き立つとってもシンプルな味でどんどん食べれました。
お塩も胡椒もお好みでふりかけます。
・・・白ワインやったらもっと美味しかったやろなぁ、、と思いつつ食べ進みましたが、かなりの量でさすがに全部は食べきれませんでした。
腹ごしらえも終わったところで、いざ、壁画を見に行きましょう。
街中の壁に描かれたムラーレス(Murales 壁画)は圧巻。
歩くたびに次々に現れる街中の壁という壁に描かれた様々な壁画は圧巻です。
色彩もタッチもバラエティ豊かな壁画が並びます。
政治の風刺画のようなもの、平和を願うような色とりどりの鳥が飛び交う絵、窓をリアルに書いただまし絵のような絵など、など。
まるで異種格闘技?自由に書きたいものを書きたい場所に描いた!みたいな感じが、面白かったです。
人気の少ない時期にじっくりゆっくり見れたことはラッキーでした。
せっかく写真も沢山撮ったことですし、一挙にご紹介したいと思います。
こちらは汚職の風刺画でしょうか。イタリア銀行と書かれたコウノトリがお金をばらまいていますね。
帰りにおトイレをお借りしたのがこのバーだったような、、、。(おトイレの話までしばし壁画をお楽しみください😂)
戦争の絵も多く見られました。この絵は有刺鉄線がうねっています。
まだまだあります。
政治の風刺画や戦争の絵、戦いの後に平和を祈るような壁画が多いような気がしますね。
そんな中にも少し違う雰囲気の壁画も、、。
こちらはまた違った感じの壁画です。壁の色とよくマッチしていますね。この絵はまだ続きがあって、、。
こんなふうにどんどん先にも女性が続いています。
ここから見える一番奥よりも向こうにもまだ続いているのかは確認しませんでしたが。
どんな小さなスペースにも描いてしまうというか、、。😂
こちらは他の壁画と少し雰囲気が違ってモノトーンです。
海外へ移住するデッキの様子でしょうか。
サーモンピンクの壁に良く生えていました。
壁画が連なりすぎてどこまでで一区切りなのかわからなくなるような場所も。
こちらは1つのストーリーになっているようです。
どれもなにかのメッセージを込めているように見えます。
まだまだあるのですが、そろそろ帰りの時間です。
ゆっくりと駐車場まで向かう途中で、暇すぎて?店先にまで出てきていたバールのおじさんが私を見て「何人(なにじん)?」とGさんに尋ねてきました。
「Giapponese」
「イタリア語わかるんか?」
「いや、あんまりわからん」
「あんたら日本語喋れるんか?」
「いいや」
なんとなく雰囲気で彼らの会話を理解し、私もニヤニヤ。
多分どうやってコミュニケーションをとっているのかと不思議だったんでしょうね。
私も不思議です😂
知っている数少ない挨拶「Arrivederci(さようなら)」と言っておじさんと別れました。
和式のようなトイレ「トルコ式トイレ」
帰路につく前に、おトイレを借りにレトロな雰囲気のバールへ(うろ覚えですが、多分最初の方にご紹介した賄賂のお金を空から撒くコウノトリの壁画のところ)。
そこでお借りしたトイレはなんと洋式のように便座がなく便器の両横に足をのせる台だけがある「前の丸いところのない」和式のような形でした。
それを見て思い出したのが20年近く前にツアーで訪れたイタリアで、バスで移動中に立ち寄った同じタイプのトイレ。
日本人は全く問題なく利用できましたが、別のバスツアーで来ていた欧米人の方々は扉を開けるなりバタンと閉め、こちらを振り返ってとっても困惑した表情に。
トイレはしたいわ、使い方がわからんわ、みたいな。
彼女たちに向かって私達日本人が、英語を交えながら身振り手振りで使い方を教えたというエピソードがありました。
オルゴーソロでこのトイレに再会するとは。😂
Tさんのあとに私が入って「あ、あのトイレや」と思いつつも用を足しましたが、私が出た後にもう一度Tさんが入っていったところを見ると、最初はどう使うのか迷って使えなかったのでしょう。
車に乗るとGさんに向かってトイレのことを変な形だったとか古い形だとか言ってたのでしょうか、とても驚いた表情で話していました。
「和式はあれとほとんど一緒よ」と英語で言ったらびっくりしてました。
今調べてみたらイタリアでは「トルコ式トイレ」と呼ばれているそうで、和式に似ていますがしゃがむ方向が逆(穴が空いている方にお尻をむけてしゃがむ)だそうです。
トルコ式というからにはトルコでは、あの形がデフォルトなんでしょうか。
話をサルデーニャに戻しましょう。
オルゴーソロで壁画を堪能した後、また長い道のりを一人で運転し、途中でスーパーに寄って晩御飯のお買い物もしてくれたGさん、本当にお疲れ様でした。
疲れているであろうに、鼻歌を歌いながら楽しそうにお料理を始める姿には、本当に頭が下がりました。
私もこんな風でありたい、と思いました。
サルデーニャの餃子のような形のパスタ「クルルジュネス(Culurgiones)」
今日のご飯は何かな?♫
2日目にして、すでに上げ膳据え膳にすっかり甘える私です(汗)
これは帰りのスーパーでGさんが買った「クルルジュネス」というパスタ。
餃子の様に見えますが、食べてみるともっちりというよりは「ポッテリ」とした重めの食感です。
中に入っているのがじゃがいもとリコッタチーズと聞いてなるほどなと納得しました。じゃがいものお団子が包まれているような感じです。
初めて食べましたが、サルデーニャの伝統的なパスタだそうでトマトソースによく合う優しい味です。
粉チーズをたっぷりかけていただきました。
ごちそうさまでした〜♪
旅の記録2日目のスライド動画を作りました
2年も経った2021年になって旅の記録のスライド動画作りました。
2日目までですが、ご覧いただけるとうれしいです。