掻きむしること10ヶ月、やっと判った父の湿疹が疥癬だとわかるまで
去年の11月頃から急に身体が痒いと言い出し、湿疹がどんどん身体中に広がった父。
病院を代わること5回目でやっと原因が判明。
・・・疥癬でした。
まだ、治療中ですが、これまでの顛末を記したいと思います。
※こちらは治療備忘録になります。疥癬や湿疹についてやお薬のことはわかりませんので、専門機関のサイトなど信頼できるものでご確認ください。
内科で診てもらう
2020年11月ごろから、デイサービスから帰ってきて、ベッドで寝ていると痒いといいだしました。
「デイサービスでは痒くなったことがないのに、家に帰ってベッドに寝ていると痒い。ベッドに何かおるんちゃうか?」
というので、シーツ、枕カバー等全て洗うが、痒み治らず。
あまり風呂に入らないからじゃないのかっ?
と私は思っておりました。
今思えば、デイサービスでもらって来て、暖かくして眠っている時に痒くなっていたのかもしれません。
この時は、通院している内科へ行って「肌が乾燥しているからでは?」と言われヒルドイドローションをもらってきました。
皮膚科(1)で診てもらう
しかし、12月に入っても一向によくなる気配もなく、ある日「こんなんなってる」と見せてきたお腹に沢山の赤い湿疹が。
慌てて皮膚科を予約して父を連れて行きました。
この時ネットでググりまくっていた私は「もしかして、、、疥癬?💦」と内心びびっておりました。
先生は、バターナイフのようなもので皮膚をこすり取り顕微鏡で見たあと「老人性の皮膚炎やねぇ。全身に薬を塗っておきなさい」と診断。
「疥癬かと思って心配してました。」というと「疥癬ちゃうよ。これは」とのこと。
ここで少し安心しました。一週間後に再受診です。
【この時の病名と薬】症状名:老人性皮膚炎 薬:アンテベード軟膏0.05%/ヒルドイドソフト軟膏
一週間後、少し湿疹がきれいになってきたのをみて、強さがmediumのステロイドに変更になりました。
【この時の薬】ロコイド軟膏0.1%/ヒルドイドソフト軟膏
この薬で年を越したのですが、新年から湿疹が息を吹き返したかのようにどんどん出てきました。
2月の受診ではまた、ステロイドがvery strongに変更、夜痒くて眠れないので痒み止めの飲み薬も処方されました。
湿疹のないところには乾燥を防ぐための保湿剤も処方されました。
この頃になると、薬を塗らないといけないので、週に2、3回しかお風呂に入らなかったのに毎日入るようになりました。
【この時の薬】マイザークリーム0.05%/ヒルドイドソフト軟膏、ルパフィン錠10mg、ヒルドイド軟膏/プロぺト
さらに一週間後に受診。ステロイドは一段階下がってstrongに。
【この時の薬】メサデルムクリーム0.1%/ヒルドイドソフト軟膏、ルパフィン錠10mg
病院を皮膚科(2)へ変える。
父は、パーキンソン症候群を患っていて通院には、車椅子の介助が必要です。
その日は雨降りで父の体調もあまり良くなかったので、薬だけもらいに行くことはできないか?と尋ねたところ、「受信できないなら訪問診療なりを受けなさい。こちらでは、薬だけは出せません」と言われてしまいます。
しかたがないので、後日比較的家に近い皮膚科へ連れて行きました。
父はこの皮膚科が気に入らなかったようで結局ここへ通ったのはこの一回きりとなりました。
【この時の薬】デルモベート軟膏0.05%、ヒルドイドローション、タリオン錠10mg
症状は悪くなる一方です。
病院を皮膚科(3)へ変える。
かなりきついことを言われた最初の皮膚科へはもう行く気になれなかったので、駅前のいつも患者さんが並んでいる皮膚科へ行くことにしました。
とても狭いので車椅子で入るのは本当に気が引けます。
ここでもピンセットで湿疹部分を取って調べてくれましたが、虫はいないと言われました。
食生活を注意され(朝昼晩と菓子パンと牛乳の毎日💦)、甘いものを控えるようにと言われました。
言ってもききませんから、、。
【この時の薬】マイザー軟膏0.05%/プロペト、ルパフィン錠10mg
二週間後、再度通院したところ、「ここまで強いステロイドを塗ってもあまり良くならないなら、一度大学病院へ行って検査をしてもらいなさい。」と紹介状をいただきました。
大学病院の皮膚科(4)へ
介護タクシーを手配し大学病院まで連れて行きました。
ここでは、全身の写真を撮られ、ピンセットでまた湿疹部分を取り検査。
やはり虫はいないようでした。
ここでは「痒疹」といういかにも痒そうな病名になりました。ステロイドは最強に。
【この時の薬】デルモベート軟膏0.05%/プロペト、アレジオン錠20mg
一週間後の再診の結果、少し良くなっているということで、ステロイドを一段階落としました。
塗りすぎを心配されて、湿疹以外はプロペトを塗るようにと言われました。
【この時の薬】アンテベート軟膏0.05%/プロペト、プロペト、アレジオン錠20mg
やはり、周期的なものなのか、ステロイドが少し弱くなったからなのか、また、大量の湿疹が出現。
3回目の診察時には、またstrongestのステロイドに戻りました。
そして、もう一度ピンセットで湿疹部分を取って検査しましたが、やはり何もなかったようです。
掻きむしるためにあちこちの傷が膿んできていたので抗生物質も出ました。
【この時の薬】デルモベート軟膏0.05%/プロペト、アレジオン錠20mg、ルリッド錠150
確かにステロイドをきつくすると少しだけ症状がマシになる気はしましたが、治っても治っても別のところに湿疹が出現していたちごっこのようです。
4回目は途中で薬がなくなってしまったので、私だけで経過報告の診察に行き、処方箋を追加でいただきました。
【この時の薬】デルモベート軟膏0.05%/プロペト、アレジオン錠20mg
5回目は、父が痒いのをなんとかしてほしいと訴えたので、困った先生が「注射でもしてみますか?」といって痒み止めの注射をしてくれました。
なんとなく、先生の口ぶりでは気休め的な感じはしましたけど、、、。
【この時の薬】デルモベート軟膏0.05%/プロペト、プロペト、タリオン錠10mg、ルリッド錠150、ルパフィン錠10mg
6回目で、先生が、再度ピンセットを取り出したので、「以前にも何度か取ってます。」というと「あ、そうでしたか?」といってやめてしまいました。
もしかしたら、この時してもらっていたら、出たかもですねぇ。。ニーダーちゃんが、、。
なかなか良くならないので先生も困っているようでした。
この日も注射をして、同じ薬をいただきました。
【この時の薬】デルモベート軟膏0.05%/プロペト、プロペト、タリオン錠10mg、ルリッド錠150、ルパフィン錠10mg
7回目は、なんとなく皮膚の様子が良くなってきているような気がしました。このまま治っていってくれるといいけれど、、、。
【この時の薬】デルモベート軟膏0.05%/プロペト、プロペト、タリオン錠10mg、ルリッド錠150、ルパフィン錠10mg
この頃から私と母にも小さな湿疹が、、、。
6月になっても小康状態と湿疹拡大状態を繰り返し、すでに最初の症状から数えると8ヶ月目に突入です。
この頃から、私にも小さな痒い湿疹が見つかるようになり、続いて母も、、、。
大学病院を紹介していただいた皮膚科(3)へ、その後の父の様子を伝えるついでに、自分の湿疹を診ていただきました。
「父の湿疹って、うつったりするんでしょうか?湿疹の形はちょっと違いますけど、、、」というと「痒疹はうつりませんよ。介護の疲れとストレスでしょう。」と言われ、ステロイドを処方してもらいました。
ところが、数週間塗ってみたもののあまり良くなっていないようでした。
再診の際には、腰のあたりの湿疹が増えていて、かきむしったために青あざのようになっていました。
「アルコールやコーヒーの飲み過ぎとか、刺激物をとってもなるから気をつけてね」と言われ、強目と弱め、2種類のステロイドを処方してもらいました。
ちょうどお盆時期だったので薬を多めにもらってお盆をこすことになりました。
薬はまじめに塗っているもののどうみてもどんどん増えてきています。
そして、痒くて夜中に目が覚めます。
親父の、、、呪い??
と、冗談半分本気半分で思うくらい日に日に湿疹が増えて、痒さもマックスです。
疥癬が見つかったのは父ではなく私からでした。
お盆明けの土曜日の朝腰のあたりを見ると無数の点々が発生して、どう考えても悪化しています。
たまたま、母が足の指を骨折して通院している病院で、父の湿疹のことを話した時に教えていただいた皮膚科が土曜日も診察していたので、急遽そこを受診。
問診票に「心当たりは?」という項目があったので、「父が湿疹で長らく苦しんでいます。母も私と同様の症状です。」と書きました。
これが決め手?になったのか、先生は診察室へ入った時から「疥癬」を疑っていました。
大体手のひらや手の甲にトンネルが見つかるそうですが、その時は、腰回りくらいにしか湿疹がなかったので、腰の一番大きく腫れているところを医療用虫眼鏡?のようなもので注意深く観察し、
「あったわ。トンネル」
えっ、えぇ〜〜っ
ピンセットで皮膚をちぎり取り、顕微鏡を見るも何もでず。。
再度えぐるように皮膚を採取。卵は見えたそうです。
どうしても虫を私に見せたい先生😂、再度グリグリと皮膚を採取。
「いてるでっ!見てみなさい」と顕微鏡を覗かせてくれました。
・・・・いてました。気持ちの悪い物が、見えました。
「お父さん、デイサービスかなんか行ってはる?」
「はい、週3回デイサービス行ってます。」
「もろてきはってんね。」
「けど、大学病院でも皮膚とってましたけど、、。でませんでしたけど、、、。」
「どこでしたかと違うねん、誰がしたかやねん。見つける気があるかどうかっていう話やねん。」
物を顕微鏡で確認した今、もはや説得力しかありません。
聞くと長年疥癬の研究をされていて、本も共著で出されているそうです。
「電車の中でも虫の写真ばっかり見てたから、周りの人は気持ち悪かったやろな」とのこと。
いやぁ、そのおかげで見つかりましたから、感謝です。
治療は全員一斉に
診察後、「おかあさん、今日連れて来れる?来れたら薬今日出せるよ」と言っていただき予約のすきまに無理矢理母をねじ込んでもらいました。
しかし、母は現在足の指を骨折しており長く歩けません。
その病院は我が家から歩いてしか行く方法がなく(タクシーではいけますが)、急いで家に帰ってから、予約していただいた時間の前に着くように父の車椅子に母をのせ、連れて行きました。
すると母が問診票を書いている間に看護婦さんが来られ、
「お父さんの次の大学病院の診察日はいつですか?」
「二週間後です」
「それなら、もうお父さんもこちらで診察しますから連れて来なさい。」
大変です。また戻らないといけません。しかも、土曜日なので午前中で診察は終わり。
またもや、無理矢理父の診察をねじ込んでいただき、母を残して空の車椅子を押しながら急いで家に戻りました。
「お父さん、新しい皮膚科へ行くから準備するよ。大丈夫?」と聞くといつになくシャキッとして「わかった。」と布団から起き上がってくれました。
炎天下、父を乗せて車椅子で押していくのはかなり大変なので、今度は何とかタクシーを拾うことにしました。
運良く流しのタクシーが拾えたので何とか診察時間内に到着。
まだまだ、待合室には患者さんが。
母と私は簡易的な隔離状態で他の患者さんと離れて診察を待ちます。父は車椅子なので、入り口当たりで他の患者さんと少しはなれて待機。
父が来るまで母の診察も先送りになっていたようで、二人一度に診察していただきました。
そして、、、。
出ました。全員にあの物が。
2週間後の大学病院の診察は、先生の方から連絡していただけるそうで、行かなくてすみました。
会計を済ませ、またタクシーを拾ったところで、処方箋が間違っていたとの連絡があり、二人をタクシーに乗せて私は病院へ戻ることに。
正しい処方箋を手に、今度は薬局へ走ります。薬局も土曜日は13時まで。
なんとかギリギリ間に合って三人分のイベルメクチンを手に入れました。
オイラックスは在庫切れでとりあえず5本ゲット。
この空腹を利用して薬を飲まないといけないので父が食事をしないよう母にライン。
菓子パンの袋を開けて今食べようとしているときに止められて不機嫌でした。😂
急いで戻って、薬を全員でせーので飲みました。
ふと見ると父が早速パンを加えています。
「ちょっと!あかんで、1時間は食べたらあかん。薬が効かなくなるよ」とまたパンを取り上げるとふて寝しました。😂
あとは、オイラックスを湿疹に1日2回塗りたくります。
この時点でクタクタです。
病院三往復と薬局、晩御飯の買い物などで、この日は15000歩弱歩いていました。
痩せるかなぁ♪
せめてもの希望は痩せていること、でしたが、-300gほどでした。
これで痒みともおさらばできるっ!と喜んだのですが、、、。
痒みは続くよどこまでも、、、😭
本当は昨日しないといけなかったシーツと枕カバー、ブランケットの洗濯を失念していたので、慌てて朝から全員分を熱湯を入れたバケツに10分つけて洗います。
通常疥癬の場合は、そこまでしなくていいようなんですが、昨日の夜、父に薬を塗るときに足の甲が痒いというので、ふと見ると、、、
ま、まさか、、角化型疥癬(ノルウェー疥癬)?という疑念が。
もともと水虫持ちであまり綺麗ではない足のため水虫なのか、疥癬の角化したものなのかがわからず、、。
恐ろしいのでとにかく父のシーツ類はビニール袋に入れて殺虫剤を噴霧してから洗濯。
ベッドのマットレスには、殺虫剤を満遍なく振りかけました。
元々バスマットは父とは別にしていたのですが、父のバスマットは、殺虫剤をしてから、私たちのバスマットは熱湯に10分つけてから洗濯機へ。
とにかくしないといけないことが多くて本当に昨日からクタクタです。
日曜日に来る予定だった姪っ子と妹には、うつるといけないので念の為日にちをずらしてもらいました。
そうこう動き回っている間も、あちらこちらが痒くて、、、。
湿疹がないところまで、とにかく身体中が痒いです。
イベルメクチン、効いてないの?
父もやはりかゆいようですが、母は一番軽症のようです。私は、日中もポリポリ、夜も痒くて目が覚めるくらいです。
もう身体中掻き跡と湿疹だらけでお嫁にいけません💦
まぁお嫁にはもはや行くことはないとは思いますが、見るたびにがっくり来るような状態です。
再度土曜日に三人揃って診察へ行き、多分もう一度イベルメクチンを飲むと思います。
2回で終了できて、かゆみもなくなるといいですが、、、。
無事に脱疥癬できました♫
土曜日にまた三人で診察へいったところ、父と私は2回目のイベルメクチンを飲むことに、母は1回だけですみました。
オイラックスが効いたのか、父の肌の状態もすこぶるよくなり痒みでイラつくこともなくなりました。
湿疹から原因解明、治癒までの道のりはとても長かったですが、痒みが治ったことで父の気持ちも落ち着いてくれて良かったです。
同じような経験をされた方のブログを見つけましたので、ご高齢の方の長引く湿疹、痒みの参考になればと思います。